はじめてでも怖くない自然死の看取りケアの紹介
介護施設でこれから看取りケアを始める時、看取りケアをしているがなんだかうまくいかない、不安がある方におすすめする本です。本書は121ページあり、目次はプロローグの他に、1章から5章あります。その他に特別インタビュー医師・中村仁一さんもあります。最後にエピローグがあります。
プロローグ
「何もしないで見ていることに、、耐えられない」
「ただみているだけでなく、病院に運んだほうがよいのでは?」
高齢者の看取りについて、その本質を理解し、適切なケアを提供することにより、病院のような最先端の手段も技術もない、いわば丸腰の施設でも、すぐれた看取りケアを実現することができます。
引用:はじめてでも怖くない自然死の看取りケア プロローグ
一部のプロローグを引用しましたが、介護施設で看取りをこれから始める時や看取りをしているけど、介護は何をすればいいのかわからない。血圧やサーチュレーションはいつ測ったらいいの。食事も水分も取れないのにおなかがも減るだろうし喉もかわいていると思う。どうして点滴をしてくれないの。などいろいろな疑問について書かている本です。
1章 人は死ぬようにできている
死んだことのない人はいない!?変化の程度は人により様々であっても、まちがいなく衰弱、そして死に向かっていきます。施設で自然死する事について書かれている章です。
2章 看取りケアとは何か
看取りの時の日常のケアについてや看取りケアの入った時の高齢者の変化、看取り期の見当をつけるための観察や事前指示書(自分はどのように最期まで生きたいかという意思表示であるとともに、残される家族の判断を助けるための書面)の書き方。看取りケアについての説明および同意内容(施設で看取りをするという合意を得たうえで今後の過ごし方など具体的に説明して同意を得る書面)最期は施設で看取るので救急搬送はしないというご家族の合意が重要なポイント。こまめにご家族に連絡をとり状態をお伝えしてご家族もチームの一員として支えることが大切。などについて書かれている章です。
第3章 看取りケアの進め方
看取りのケアとして環境を整えたりバイタルサインはどのようにしたらいいのか食事や清潔はどのようにしたらいいのか。ご家族に死がまじかになってきた方には体の変化はどのように変化するのか。命の終わりが近づいたらどのようになるのか。ご家族が過ごしやすい環境作り。亡くなられたあとの職員の対応とご家族の今後の動きなどについて書かれている章です。
第4章 看取りの経験をケアの力に
看取りを終えて介護職員に何を感じたか、引き出しておくことは大切。施設での看取りがすぐれている理由について書かれている章です。
第5章看取りケアの悩みや疑問に、ズバリお答えします
Q&Aで看取りケアについてのページで医師から理解が得られない時、胃ろう増設について、亡くなった状態で発見したらと思うと…、いつ看護師やご家族に連絡をすればいいのか、エンジェルケアについて、ご家族にどう声をお掛けすればよいか。などの質問に対してのQ&Aが書かれています。特別インタビュー医師・中村仁一さんきみは「延命介護」をしていないかー介護職員へのメッセージが33ページほど載っており、看取り期の方本人にとって本当にいいことはなにか、家族に胃ろうの説明をするときなど書かれてる章です。
エピローグ
施設での看取りを多く経験すると、病院で見てきた死よりも実に穏やかなため、人は自然に死ねるようになっていることを実感するようになります。
自然死の実現、そして自然死の看取りを主体的に志向できるケアは、高齢者をケアする介護施設が先頭に立ち、現代社会のお手本になるべきと痛切に考えています。
引用:はじめてでも怖くない自然死の看取りケア P119~P120エピローグから一部引用
おわりに
看取りをしている介護施設(特別養護老人ホーム)で働いていますが、私が入った数年前は看取り期に入ると6時10時13時時16時20時0時4時(もっと最期が近くなるとバイタルサインの測定する時間は多かったです)に体温・脈拍・サチュレーション・血圧・呼吸を測ていました。そして食事や水分が摂れなくなると、点滴1日1000ml(500ml2本)開始になり、食事や水分も詰まったら困るから食止めになっていました。
介護施設での看取りなのに病院みたいとずっと疑問に思っていた時にはじめてでも怖くない自然死の看取りケアを読み他の職員にも伝えていき自然死ができるように看取りケアに取り組みました。
はじめてでも怖くない自然死の看取りケアを参考にしながら、医師の協力も得ながら看取り期に入った利用者様には食事や水分が摂れなくても点滴をしない。塩分やカロリーなどの制限がある人でも、本人様が食べたいもなんでも食べれる分食べてもらう。体温、脈拍、サーチュレーション、血圧、呼吸を測定しない代わりに、顔色や手足の色や冷たさ温かさ、見た目の呼吸状態、目が開いていた、閉じていた、手を動かしていた。などの観察をすることでバイタルサインを測定していた時よりも深く本人様を看ることができるようになりました。
ご家族に連絡をこまめにすることで、急に呼吸が止まっていた時にも職員やご家族が慌てず対応する事ができるようになり穏やかな最期を迎えられる利用者様が増えました。利用者様の全身を観察する事が多くなり、食べたいものを食べてもらえるように関わることで、最期の時ご家族に対する声かけも増えご家族からありがとうの言葉をもらえる機会が増えました。
看取り期に点滴を減らしたり点滴をしない選択をしたことで、サクションをしなくなり利用者様の苦痛が減った事と職員の痰が詰まるかも。という不安が減りました。また利用者様の全身のむくみもなくなり皮膚トラブルが減ったり、最期の時の顔が元気な時の様にきれいな状態になりました。
看取りケアをこれから行う施設や看取りケアを行っているけどどのようにしたらいいのかわからない。自分の思う看取りケアが他の職員に伝わらない。など思っている方におすすめする本です。
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