施設看護師のsayu(さゆ)です。
介護施設の申し送りは利用者さまの情報を職員の間で共有する大切な事ですが、申し送りを廃止している施設も多くなってきています。
介護施設の申し送りを廃止することでメリットの方がデメリットより多いからです。
介護施設で申し送り廃止となると不安になる職員がたくさんいると思います。
私が働いていた介護施設で実際に行った申し送り廃止(短縮)の方法を説明します。
申し送り廃止したいと思ってから1年6か月かかりました
こちらの↓↓↓の記事を先に読むとどうして申し送り廃止したかわかります
申し送り廃止したら仕事辞めるから!っていう人が増えた
申し送りを廃止したいと言うと、情報が入ってこないから「仕事辞めるから」とほとんどの人が言い出しました。
他の職場を経験している職員は、申し送り廃止のメリットをわかっていて数名の職員は申し送りまだしてるの?と言っていました。
「仕事辞めるから」と言っても申し送りが廃止になって本当に辞めた人は1人もいませんでした。
でも「辞めるから」と言った人の気持ちはすごくわかります。下記に書きます。
- 今、酸素している人は酸素飽和濃度下がったらどうしたらいいかわからない
- 今は熱下がったけど、夜熱上がったらどうしたらいいのかわからない
- 転倒あった事とか知らなかったら怖い
- 今日水分どのぐらい飲んでいるのかわからない
- 看護師からの情報が入ってこなくなるんじゃない
- 介護士からの情報が入ってこなくなるから熱出た時医師に報告するの遅くなる
- 情報がないから怖くて仕事できなくなる
- 情報なしに仕事する意味がわからない
情報が入ってこない事により業務で利用者様が困ってしまったり、失敗したり対応が遅くなってもし何か自分のせいで事故が起こる事が怖くて申し送り廃止を反対していました。
申し送り廃止のメリットを伝えてた
申し送りが廃止になると不安な事もあるけど、メリットもある事を伝えました。
- 利用者様に関われる時間が増える
- (介護士)午前中1名の職員が増える(申し送り参加者分)
- (介護士)夕食介助・トイレ誘導の時間3名分の職員が増える(申し送り参加者分)
- (看護師)午前中1名分の職員が増える
- (看護師)午後から13時から15時まで看護師全員で申し送りしていた時間が業務にあてられる
- 申し送り参加していた職員分の人手がふえるから業務がスムーズになり17時30分の定時に業務終了する事ができる
- 申し送りで看護師やケアマネージャーから無意味なつっこみや嫌な言い方されなくなるのでストレスが減る
- 申し送りの為のうまく伝えれる様に下準備をしなくてもいいのでストレスが減る
全体会議で申し送り廃止のメリットを職員に伝えても、そのあといろんな職員が不満・不安を言っていました。
1/3ぐらいの職員はそれならいいかもと言ってくれました。
まずは手書きの記録をパソコンとアイパットにする
介護士はパソコンとアイパットの記録になって4年経過していました。
でも看護だけ紙の記録用紙に一人一人のファイルから記録のページを開いて手書きの記録をしていました。
- 年齢的に50歳~60歳代の看護職員が多くてパソコンの操作ができないからパソコンでの記録を反対していた
- 新しい事を始めて環境が変わるのを恐れていた
- 病院時代から手書きで書くのが当たり前の世代だった
- パソコンやアイパットで記録する良さを知らなかった
申し送り廃止の前に、看護職員の記録の書き方を手書きからパソコンにする必要があります。
手書きからパソコンにするにもすごく時間がかかりました。パソコン操作がうまくできる様になるまで半年かかりました。
記録を手書きからパソコンに変更した方法は他で書きたいと思います。
反発があっても申し送り廃止(短縮)を実行した
- やってられない
- うまく行くはずないでしょ
- 看護師が申し送りを長くしているんだから
- 介護士がちゃんとやってくれないから看護師は聞いてるだけなんだから
- 逆に事故が多くなるんじゃないの
- 本当に仕事やめようかな
何か業務改革や新しい事を始める前は、どのようになっていくのわからなくて、反発がでます。
反発があるからと言って業務改善しないと何もかわらず、サービス残業や、時間・人が足りなくて利用者様に関わる時間が少なくなり事故や手抜きが起きてしまいます。
それを改善するために介護施設での申し送り廃止(短縮)を行いたいので反発があっても明日からします。といい始めました。
実際の申し送り廃止(短縮)した方法(詳しく解説)
ここからは実際に申し送り廃止(短縮)できた方法を詳しく解説していきます。
1 手書きの記録をパソコンとアイパットで記録
看護師だけが手書きだったので、まずは看護師の記録をパソコンとアイパットでの記録にする事からはじましました。
看護師がパソコンとアイパットの入力ができる様になるには6か月ぐらいかかりました。
ガラケーを使っている人がほとんどでしたので、操作方法ローマ字打ちとかの表を見ながら入力していました。
詳しい内容は他の記事で説明したいと思います。
2 記録を詳しく書く
看護師がパソコンとアイパットの記録に慣れてきたら今度は、記録の内容を詳しく、誰が読んでもその場面を想像できるような書き方で書きました。(特に事故や誤薬など普段と違うアクシデントが起きた時)
介護士は4年前からパソコンとアイパットの記録でしたが内容が薄い記録だったので詳しく書くことをお願いしました。
記録を詳しく書くことで、申し送りで突っ込まれたり質問されないようにする為です。
詳しく書くことを4年間していなかったのですごく大変だと言っていました。
この記録を詳しく書く事を6か月ぐらいかけて行いました。
3 記録をプリントしてファイルに入れる
- 日勤介護士のリーダーが夕方(夜勤者が来る前まで)にパソコンからプリントした
- 夜勤介護士は日勤者が来るまでにパソコンからプリントした
- 日勤看護師は看護が行った記録をパソコンからプリントした
- 備考欄には、次の勤務者に継続してもらいたい事を記載した
4 ファイルをみて出勤時に各自で情報収集
- ファイルをみて大事な事だけ自分のメモ帳に書いたりした
- リアルタイムの情報を知りたい時は、パソコン画面から情報収集した
- 本当に大切な事は、その日のリーダーに口頭で伝えてた(ファイル情報を見おとしが無いようにする為)
上記の事をする事で勤務前に情報を知る事ができるので、業務がスムーズになりました。
5 申し送り参加者分の記録をプリント
- 夜勤者は、朝の申し送りに参加する人数分プリント
- 日勤者は夜勤者全員分のプリントした
6 プリントした記録をみながら申し送りをする
- 申し送りの時には記録のプリントをみるのでメモを取る必要がなくなった
- 必要な事はマーカーや赤ペンで線を引くだけなので簡単
- 看護師とケアマネージャーが突っ込みや質問をしてきたら記録に書いているのでみて下さい。と介護士が言える
7 大事な事は一言で伝える
- 記録に書きていても、大切なことは口頭で一言で伝えた
<div class=”concept-box3″><p>転倒がありました詳しい事は記録を見ておいてください</p></div>
- 記録を見ておいて下さいと言うからには質問されないように相手伝わる方法で書く必要がある
8 決められた時間内に申し送りを終わらせる
- 日勤は8時45分~9時までの15分間
- 夜勤は17時15分~17時30分までの15分間
- 終わっていない時は時間過ぎていますと伝える
- 申し送り開始時間は守る(始まる時間が遅いと終わるのも遅くなる)
9 15分で終わらせましょうとお互い声かけする
- 声掛けする事は大事です
- 15分で終わらせようという意識になります
- あとは、今日も定時に帰りましょうねと声かけする
10 時間内に申し送りが終わっていない時は、他の人は帰る
- 今までは連帯責任みたいな気持ちになって他の職員も待っていた
- 15分間で申し送る。といルールが明確になると帰りにくい雰囲気がなくなった
- 逆に残っている人に申し訳ないと言う気持ちになるので15分間ルールを守る気持ちが強くなった
- だから申し送りの途中でも申し送りの職員はおいて定時に帰る
11 申し送り廃止になったら仕事辞めるからって言っていた人が、申し送りいらないんじゃない?って言いだした
- 6か月ぐらい経過すると15分間で申し送りをする事ができる様になっていた
- 気が付いたら5分ぐらい早く終わっていた
- 記録みたらわかる事を申し送る必要があるの?と言う人が出てきた
- 申し送り廃止になったら仕事辞めるからと言っていた人が申し送りいらないんじゃない?と言ってくれた
- 気が付いたら大切な事だけ記録見てください。と言うだけで申し送りが廃止になっていた
12 定時の時刻に帰れる様になっていた
- 夜勤者が勤務終了の15分前ぐらいには3人ともケアステーションにいて帰る準備をしながら見守り業務ができるようになっていた
- 日勤者は17時30分ちょうどにケアステーションをでてロッカーに向かっていた
- 気が付いたら職場の雰囲気が穏やかになっていた
- 気が付いたら介護士と看護師のお互いの悪口・不満・不安が減っていた
- 誤薬・事故などが減っていた
まとめ
何か新しい事を始める時は、どんな事でも不平・不満・愚痴などが出てきますが、介護施設での申し送り廃止を反対していた職員が、申し送りいらないんじゃない?って言ってくれた事はうれしかったし、ビックリしました。
申し送り廃止成功かなと思いました。
私は当時、主任で職員が言いにくい事などを言って業務改善する事が仕事でした。その為、ガミガミ言ってしまったので、すごく嫌な人だったと思います。
他の人なら平穏にガミガミ言ったり反発される事もなく申し送り廃止にできたかもしれませんが、私はかなりガミガミ言ったり、15分で終わるか監視したり、申し送りの時間にきちんと始められているのか監視したりしていました。
結果として、申し送りが廃止する事で、サービス残業をすることなく、定時に帰る事ができ、一番忙しい午前中の業務や夕方の食事介助に人員が増えたことで事故や誤薬が減った事が良かったのではないかと思います。
今回はうまくいった実際の方法ですが、私は介護施設に就職して1日で辞めたいと思いました。
忙しすぎて時間や余裕がなく、22時とか夜中の0時までサービス残業の実際をみると長くは続かないと思いました。
私の場合は転職サイトから紹介してもらって就職したので、紹介してもらった転職サイトに連絡すると他の所探しましょう。と言ってもらいました。
それと同時に面接官だった経営者にも相談しました。
あと1か月で看護師さんもう一人入ってくるからきっと変わると思うからもう少し頑張ってみてと言われて続けた結果新しく入ってきた看護師さんも申し送り廃止タイプでご主人と高校生の子供さんがいる定時に帰りたい方でその方が居てくれたので仕事を続けて申し送り廃止しようと思えました。
でももしどうしても耐える事ができない場合は、転職サイトを利用して他の職場を探すことも必要なのではないでしょうか。